あなたは言葉の日に生まれたのよと
誰かに言われたような記憶
なんて価値の薄い語呂合わせだろうなんて
見えない呪縛の根源を見た

ちょうど蒸してくるその時期に
のこのこと生まれてきた私
母に生んだ理由を訊いてみたら
寂しいと姉が言ったからと
温かい笑みもなく 当然の如く

それから私は言葉に拘るようになり
知らぬ誰かに託された 言葉の日生まれの人間として
義務にならぬよう 軽くならぬよう
強めの足取りで 人生に言葉を踏み付けてきた

私の存在は決して 姉のエゴだけではないと
信じ込みたいが為に