「あーあ。高等部来ても、何も変わらないね」 つまらなそうな表情で梨沙が言った。 『当たり前じゃん。中等部のまま来たんだから』 「そうだね。あーでも、高等部からの編入、1クラスに5、6人くらいいるとか」 『意外と多いね』 「うん。女子たちが騒いでた。何人かかっこいい人いるとかで」 『はは。どーでもいいや』 「あたし達には関係ないしね」 春のあたたかい風を感じながら、たわいもない会話。 ―――この時はどうでもいいって思ってた。