「なんで、と言われても。ただなんとなく」


『答えになってない!!』


なんかいつものあたしと違う。

なんでこんなにムキになってるの。


「お前さ、なんで黙ってんの?朝日の気持ちが欲しいとか思わないわけ?」


なにこの人。

どうしてすぐ話を変えるのかな。


『思わない。事がややこしくなるでしょ』


もうダメだ。

麻生とは正面から話しをしないと、永遠に終わらない気がする。



「そのために自分だけ我慢するのか?」


『……それでいいの。そうじゃなきゃダメ。今の関係壊したくないの』



やっと終わりが見えてきた。

麻生と話すとなんか疲れる。


そしてあたしは立ち上がって、この場を去ろうとした。



「俺、言っていい?」


後ろから呼びとめられる。

いい加減終わりにしてよ……。


『何?』


面倒くさくなって、投げやりな返事をした。





「“神谷砂希は福田朝日の事が好き”って」