『うん、わかってる。ありがと』


「いーえ。どういたしまして」


梨沙は立って、部屋を出て行った。


もう寝る支度だな。


あたしは携帯を開いて「新規メール作成」。

宛先は、朝日。


“麻生静夜のアドレスちょうだい”


たったこの一文。


しばらくして返ってきた。


“本人から許可もらった。下のヤツ”

その分の下に、アドレスがあった。


そのアドレスの下に、


“何があったのか知らねぇけど、周りに心配かけんなよ”


もう一文。


朝日らしいな。


“ありがと。全部終わったら話すよ”


それを送信してから、新たなメールを作成する。


今度の宛先は、朝日からもらったアドレス。


to:麻生静夜
sub:神谷砂希
――――――――――――

月曜日の朝、屋上近くの
空き教室に来て。

授業はサボる覚悟でね。

返信不要。

――――――――――――



月曜日の朝。

負けんな、砂希。

怖がるな。

同じ失敗は2度も繰り返さない。