――ぎゅう。



気付けば、あたしと梨沙は手を繋いでた。




悲しい時、寂しい時、悔しい時、泣きたい時。

今まで全部手を繋いで乗り越えてきた。


お互いの存在をちゃんと確かめるために。


“1人じゃない”って、心の中で支えあってきた。



それも、もう癖になってた。


「ねぇ、砂希…」

『ん?』


梨沙は、弱々しい声であたしに話しかけた。


「これで……よかったんだよね」


梨沙のあたしを握る手に、力が入った。


『うん。これで、よかった』


あたしにも力が入る。


「……」

『梨沙、頑張ったね……』

「うん、ありがと…」




―――朝日は、梨沙の好きな人。



梨沙の気持ちは昔から変わってなかった。


それは、梨沙の表情を見なくたってわかる。




そして、あたしも変わってない。






―――朝日は、あたしの好きな人。