「ねぇ、砂希…。ホントなの…?」



梨沙の声は震えてた。


ここで嘘をついて信じてもらうしかないよね。



『違う…』

「本当の話だ」



一夜があたしの言葉を遮った。



『ちょっと、一夜!!』


「なんだよ、事実だろ」



もう、どうすればいいの!?


なんで一夜はあたしに嘘をつかせてくれないの…?




――すると、一夜は立ち上がってあたしに近寄った。




「嘘に頼らないで、ぶつかれ」




そう耳打ちして、階段を降りていった。





うん…。


認めたくないけど、あたしにはもうその選択肢しかないってわかってる。





『ごめん、梨沙。ホント…』