「それが、梨沙には“距離を置いてる”ように感じたんだろ?」



やっぱり、付き合ったばっかりだね。


朝日も顔赤いし。

たぶん、“ラブラブ”に反応したのかな。



『ごめん、今度はちゃんと言葉にして伝えるよ』


「あぁ、そうしてくれ」


『で、あたしからもいい?』



あたしは、前から朝日に聞きたいことあったんだ。


「いいよ」


『梨沙のどこが好き?』


「はぁっ!?」


朝日は大慌て。


『いいから答えてよ。彼氏なんでしょ?そんくらい言えなきゃ困るんですけど』


いじわるっぽく言ってみる。



「そうだな…」


どうやら決心がついたみたい。


『どうぞ?』


「本当に笑った時とか、優しいところとか…。
時々むちゃなことするし、ちょっとひねくれてるとこあるけど、そこを守ってやりたくなるっていうか…」



朝日はそこまで言って、下を向いた。


男子とは思えないほどの顔の赤さ。

でもそれは、梨沙の事大好きな証拠だよね。


『ハイハイ、ごちそーさま』


「砂希が言えっていったんだろ!!」


『でも、それ聞いて安心した。これからずっと、梨沙を大切にしてね』


「あ、あぁ。当たり前だろ。じゃ、俺戻るわ。梨沙に言っといて」


『はいはい』



そして朝日は階段をおりて、教室へ戻っていった。