――ガサガサ、ストンッ



『………』



本当に飛び降りた…。

あの2階から…。


あたしは放心状態で、ただボーっとしているだけだった。



「ほら、ちゃんと出てこれただろ?」



一夜はそう言いながらあたしを降ろしてくれた。



『本当に飛び降りるなんて…』


「結果的に成功じゃねーか」


『そうだけど…』



無茶苦茶すぎて怒る気にもなれない。




「屋上でも行くか。じゃーな、砂希」




一夜は、ボーっとしているあたしの頭をポンポンと軽くたたいて去っていった。






『……何なの、アイツ』




一夜に触れられた頭のてっぺんが、妙に熱くなった気がした。