そう、真理也のことを何も知らないのは理由がある。

私は真理也に拐われてきたからだ。



「…それはだめ。」



真理也は悲しそうな顔をして、言葉を続けた。



「鑑賞用の魚ってね。綺麗だけど、それはモービルのなかでしか生きられないんだ。」