風呂から上がって、

さっぱりとした

レモンのチューハイを飲んでいると、

インターホンが鳴った。

「開いてるから」

そう俺が言ったのとほぼ同時に、

優奈が入ってきて真っ赤なハイヒールを

するりと脱いだ。

「...早かったじゃん??」

「言ったでしょ、恭矢だったら
 会いに行くって」

「うん、まぁな」



喋るのは面倒。

身体だけの関係に

言葉なんていらないんだよ。



俺はにこりと微笑む。

それが俺と俺のセフレとの

無言の合図。

優奈は鞄を置いて近付いてくる。