ガキの名前は潤(うる)。

ホントかどうか知らねぇけど。

だって可愛い顔して

ゴムいっぱい持ってたしなぁ。

清純派の見た目が台無しだ。

「じゃ、もうガキがこんな街
 うろちょろするなよ。」

俺がさっさとおさらばしようとすると、

潤は俺のスーツの裾を掴んだ。

「..何??俺そんなに暇じゃ..」

「何で助けてくれたの」

透き通った声に息を飲む。

「何でって..俺いい人だからね」

俺がおどけてそう言っても、

潤は顔色ひとつ変えなかった。

「何も見返りがないのに??」

「..見返り??」

潤の瞳がまっすぐ俺を見つめる。



目が逸らせない。


「あたしを助けても、
 得、無いじゃん」

俺は長くため息をついた。

「じゃあ逆に聞くけど。
 俺が見返りを求めたら
 お前は何かくれる訳??」



「カラダ」


「...」