暴力を浴びた身体が、悲鳴をあげている。かなり痛い。このまま何もしないで眠ってしまいたい。でも、それは駄目。

「亮君。私がやるよ…」


「亜稀…」



私と亮君は恋人同士。
共通の友人を通じて知り合って、出会って三ヶ月で亮君から告白された。私も亮君が好きだったから答えは勿論OK。毎日幸せで溢れて、たまに意地悪する亮君が大好きで。

なのに、なんでだろう。いつの間にか私に暴力を振るう様になった亮君。最初は確か…そう、他の男と話す私を見て、怒ったんだ。それに逆らったら叩かれた。怖かった。けど、叩いた後に凄い謝ってくれたんだ。涙を流しながら。



そしたら急に罪悪感が沸き上がってきたの。私のせいで、って。
これから私が気を付ければ良いだけの話。男性と話すのが駄目なら話さなければ良い。どうしようもない時は、亮君には悪いけど嘘をつかせてもらう。亮君ごめんね。








──何て事を、床にぶちまけられてる夕飯を拭きながら思ってる私は感覚が麻痺してしまってるのだろう。


「‥亜稀、ごめんね…」

「気にしなくて平気だよ。‥‥ご飯、作り直さなくちゃね」

「亜稀…ありがとう。ごめんね。本当にごめん」


やっぱり亮君は悪くない。
全部私が悪いんだ。これからも私が気を付けなきゃ。だって、そうしないと亮君の笑顔が見れないもん。