「よく知ってるね。そうだけど、なんで??」

「いえ…、父と母が言っていたので。それに1回だけ山木橋財閥に行ったことがあったので…」

山木橋さんは、なにやら考えているようだった。

すると、はっとした顔つきで…

「もしかして彩ちゃんって…高上財閥の…」

バレちゃったみたいだ。

って言うか、自分で言ったんだけど。

「はい。そうです。お久し振りですね!」

「そうだなぁ、ホント。彩ちゃんがいくつの時だっけ??確か…10歳の頃だったね」

「そうですね、多分…。なんか懐かしいです」

「俺もだよ。大きくなったね、彩ちゃん」

「はい。もう5年は経ちましたから」

ちらっと、徳崎くんを見ると…

目をまんまるにして、私を見ていた。

「彩って、財閥の娘だったんだな」

さすがに、今の話を聞いてたら分かっちゃったみたい。

「うん、まあそんなとこ。あのさ、この事は学校の人達には言わないで欲しいんだけど…」