親友の進藤さくらが、心配そうに言った。

「煌、ホントに遼のこと諦めるの…?」

秋本煌は、首を微かに動かした。

「うん。遼くんは、さくらが好きだから…」

山崎遼が、友達と話しているのを偶然、聞いてしまった話だ。

悲しかった。

辛かった。

苦しかった。

恨んだ。

憎んだ。


その気持ち全てが、もう過去のことだ。

私には関係ない。