「ママ!ペンギン!ペンギンだよ!!」
「ホントだ!可愛いね〜」
蒼空くんが一番最初にあたしを引っ張ってきたのは、ペンギンのところだった。
プールの中をペンギンが気持ちよさそうに泳いでいる。
そのペンギンを興味津々に見ている蒼空くん。
なんだか柵のギリギリまで近づいているから、ちょっと危ないんだけど…
ホント、楽しそう。
「…楽しそうだな、あいつ。」
やっと追いついてきたユウが、隣でそう呟いた。
「うん。」
本当にそう思う。
ただ純粋に、楽しんで笑ってくれている蒼空くん。
そんな笑顔を見たら、あたし達まで幸せな気分になる。
「ママ〜!つぎいこー!!」
「あ、うん!」
蒼空くんが少し先で手を振っている。
あたしもユウの手をとって、蒼空くんのところまで走った。

