* *
「つ、着いたぁ…!!」
一時間後。
あたし達は無事に、水族館へ到着した。
着くまでの電車の中でも、相変わらず蒼空くんはあたしに冷たかったけど
きっと水族館でなら素直になってくれるはず!
それに、実を言うと、あたしも久しぶりの水族館にワクワクしてたりする。
「…転ぶなよ?」
「こ、転びません…!!」
隣で嫌みったらしく言ってくるユウ。
ホント、みんなしてあたしを馬鹿にするんだから…っ!
「蒼空くん行こっ!」
ユウを置いて、蒼空くんの手を引いてチケット売り場まで走る。
こうなったら思いっきり楽しんでやるんだから!!
「すいません。チケット子供1枚に大人2枚ください。」
ニッコリ笑っている売り場の女の人にそう言う。
「坊や、今日はお姉さんと来たの?良かったね〜」
「ちがうよ。」
蒼空くんの小さな手がグイッとあたしの服の袖を引っ張った。

