「……で、このまましちゃう?」


「だ、だからっ!」


「はいはい。じゃ、俺は店に取りに行ってくるよ。」



取りに行く?



そう言ってユウはホテルの鍵をあたしに渡してきた。



そういえば、ユウはあの後、普通ならあのまま仕事をしてたはず。



だったら戻って仕事をするんでしょ?



取りに行くって……何を取りに行くの?



その疑問を読み取ったかのように、ユウはため息をついた。



「…その格好でこれ以上外に出すわけいかないから。」


「へ?別に寒くないよ?」



そう言うと、また深いため息をついた。



そしてグッと顔が耳元に近づく。



「このままじゃ、理性利かなくなるから。それとも………また襲ってほしいわけ?」


「お、襲っ…?!」



ブンブンと首を横に振る。



するとユウはバカにしたように微笑んだ。



ポンと手が頭の上に置かれて、グシャグシャに髪を撫でる。



「ち、ちょっと…!」


「ん〜?」


「早く行ってきなよっ!」


「りょーかい♪」



ドアの前でヘラヘラと右手を振るユウに、あたしは小さく手を振り返した。



「…ヤバい。可愛すぎるんだけど。」


「へ…?」



あたしのもとまで戻ってきたユウ。



唇に柔らかい感触があたった。



「行ってきますのチュー♪」



そう言ってニヤリと笑ったユウに、あたしは顔が真っ赤になるのを感じて



「へ、変態っ…」



赤くなった頬を押さえて、誰もいない部屋にそう呟いた。