「──お…奈央」


「んん…」


「奈央。おはよ」


「…あ、萌香。おはよ〜」



目が覚めると、萌香があたしの前で頬杖をついて笑っていた。



きゅん。



相変わらず可愛いなぁ…



萌香こと、新祇萌香。



高校2年から一緒のクラスになって、仲良くなった。



萌香が動く度に、ふわりと茶色の柔らかそうな髪が揺れる。




「武田先生と奈央って、なんだかんだ言って、仲良いよね。」


「え?!全っ然!!」


「そ?私には十分、仲良いように見えるけど。」


「なんかそれやだなぁ…」


「誰が嫌だって?」


「そんなの武ちゃんに決まって……わっ?!た、武ちゃん?!」



振り向くと、武ちゃんが怖〜い顔をして立っていた。



なんでいるの?!



っていうか盗み聞きだよね?!



あたしは怖い顔をした武ちゃんに、苦笑いをした。