悲しそうにそう呟いたユウに胸が締めつけられる。



「違う…よ」


「じゃあなんで…」


「……ごめん」



ユウは何も悪くなくて



悪いのは変に意識し過ぎてるあたしで



全部あたしがいけなくて



だから、ユウは何も悪くないのに…



臆病なあたしは何も言えないの。



この想いがバレて、気まずくなるくらいなら…



それなら、今のままの関係がいい。



手をのばしても触れられない……この距離。



この距離なら今まで通り過ごせる。



傷つかなくて済む。



何も言わないあたしに、ユウは深くため息をついて離れて行った。



「…もう、いい」



その声は呆れたようにあたしの頭上を通り過ぎていった。