会話も無く、険悪な雰囲気のまま、車は先輩の家へ着いた。 エレベーターで上がる時も、家のドアを開ける時も、先輩は無言だ。 「適当に座って」 「はい…」 恐る恐るソファーへ座る。 すると、先輩は制服のネクタイを緩めると、私の側へ座った。 こんな時に不謹慎だけど、ネクタイを緩める仕草が、何てカッコイイんだろう。