・・・今この人・・・


「不幸体質のあたしを助けたああああああ!」

「・・・は?」
「あ・・・」


どうしよー言っちゃった!
体質の事はナイショだったのに!思いっきり言っちゃったよね??
どうしよーーーーーー

「なあ、おまえさ」
「何!?今それどころじゃなくて・・・っつ!」

さっきケガした手首からは真っ赤な血がポタポタおちてて・・・
地味に痛い・・・

「そのけが・・・さっきぶつかったときに?」
「いえいえ!ちょっとケガしちゃってて」
「ふ~ん」

ふわっ!

「え!」
急に体が軽くなったと思ったら・・・

「何してんのよ!」
「見てわかんない?お姫様抱っこだけど?」

見知らぬ男子に抱っこされてた・・・

「お前・・・名前は??」
「人に聞く前に、あんたが名乗りなさいよ!」
「!!」

その男子はビックリしたようにまばたきしていた・・・

「俺は・・・五十嵐駿」
「あたしは、音ノ葉鈴」







このときから、
「ぶつかった人との甘い恋」
なんてばかげたことが始まってたのかもしれない・・・