すると梓の口を塞ぎ、後ろのエレベーターに乗った。
『静かにしろって言っただろ』
「え、何で?」
『誰かに変な勘違いされて雑誌にでも載ったらメンバーに迷惑がかかるだろ』
「あっそうか」
どんどん上がっていく中、何故か4階に赤いランプが付いた。
『ヤバい誰か乗ってくる』
慌てて梓を後ろに隠した。
いつも鍛えているYUの体は人一人隠れるぐらいの大きな背中だ。
チーンと言う音とともにドアが開いき、二人は息を飲んだ。
開いた先には演歌好きの小さなお婆さんだった。
「あらYUちゃん!お帰り」
『ただいま』
悟られないようにYUは笑顔で答えた。
それから無言のまま6階まで上がりお婆さんを先に降ろし二人も降りた。

