ヤンキー彼女とヤクザ彼氏

一瞬頭が真っ白になる。





「し、駿…？」

「だから俺の前から勝手にいなくなるな。どこにも行くな…。」





なんでそんな弱い声出すんだよ…。





「お前は？俺がいなくても平気なのか？」

「そんなわけ…ない！あたしがどんな思いで出てきたと思ってんだよ…。」

「俺だってお前が居なかったら平気じゃねぇよ…。」





駿は抱きしめたまま離してくれない。




でもあたし、このままでいいとか思ってる。





「優衣…好きだから。何があっても俺から離れようとすんな。」

「わかった。一生離れてやんない。」

「いなくなるよりずっとマシ。」





そう言った駿の顔がゆっくり近づいてきて…




キスをした。




そのあと、また抱きしめられてしばらくそのままでいた。




それから、駿が隣に座った。




手はつないだまま…。





「…で、リョウを倒す方法？思いついたのか？」

「…あは。」

「なんでいつもみたいにケンカ挑まねぇんだよ。」

「………わかったから。勝てないんだ。だから今あいつに勝てるとこは何もない。だから誰も守れない。」

「それも家出の理由？」

「…うん。」





駿は大きなため息をわざとらしくついた。





「バカか。お前に守ってもらうような軟弱な奴うちの組にいるか？」

「…いない。でも汐莉とか…。」

「汐莉には頭脳と宇佐がある。」





そっか…。




考えすぎてたのかも。




いつも頭使わないのに変に使うから…。