不思議そうな顔してる駿。




この感情は嬉しいって感情だ。




あたしは、嬉しい。






「仕事は?」

「休憩なんじゃねぇか?」

「また宇佐に押しつけたのか!?あたし、また後でグチグチ言われる…。」

「そうなのか?」






くそっ!!





宇佐はいっつも駿がいない時を狙うから…。





「仕事の邪魔しないように、夜行くつもりだったんだ。」

「気を遣ってたのか。」

「そりゃあな。」

「優衣は別枠だろ。いつでも好きなときに来いよ。手が放せないときは言うし。」






別枠…。




駿にとっては何気ない言葉だよな。





でもさ…あたしの心臓は反応しちゃってるわけだ。






「優衣?」

「あ、あぁ、わかった!ありがとう。」

「礼言われるようなこと言ったか?…まぁいいか。じゃ、そろそろ戻るわ。」






あたしの頭をポンとして、駿は部屋から出て行った。




毎回だけど…これは照れる。




あたしは1人で赤面するハメに。





それから夕食後。




珍しく汐莉から電話。





「もしもし?」

「麻野優衣さん?こんばんわ。」

「……青…山?」





待てよ。




なんで汐莉のケータイから…青山が…。





いや、考えなくてもわかるな。






「汐莉は無事か?」

「もちろん!大事な人質だからね。」