あたしはもっと強くなる。




あ、でも普通になるのはやめねぇ。







帰りは今日もハルの車。




「ただいま。」

「おかえり。…大丈夫だったか?」

「汐莉に強くなったって言われたぞ。」

「そうか。」





そういえば朝からハルも心配してくれてたな。




あたしの身代わりになったあの子にも、そういう存在が出来ればな…。






「駿は?」

「仕事だ。」

「青山会か?」

「それ関係だ。青山会はやり方が汚くて嫌いだ。」






青山会自体がそんなんか。




確かに嫌いだな。






「若もお前を一日中気にしてた。」

「なっ、なんか…恥ずかしいな…。」

「そろそろ一段落つく頃だろ。屋敷についたら若のとこ行け。」

「いや、忙しいだろ。夜にする。」






あたしだって駿のこと応援してたりとか…するし…。




そりゃ、今すぐ行きたいけど仕事の邪魔なんかしない。







「お前がいいならいいけど…。逆に若から来るかもな。」

「さすがに、忙しいだろ。」






屋敷に着いて、部屋で着替えてのんびりしようとしたとき。




ドアがノックされた。




このノックの仕方は…






「優衣!大丈夫だったか?」

「駿…。心配しすぎだ!大丈夫だよ。」

「そうか。なら良かった。」






本気で安心した表情。




うわ…し、心臓がドキドキしてる…!!






に、にしても、ハルの言ったとおりだったな。






「ぷっ、あはははは!!」

「なんだよ!」

「ハルが言ったとおりだったから、思わず…。」