「優衣、帰るぞ。」

「え、あぁ、うん。じゃあな、裕吾!」

「あぁ。」





さっさと車に乗り込んだ。




イラつく。




ガキ相手にムキになってる自分が一番イラつく…。





「なぁ、アイツと何話してたの?」

「黒田のこと!アイツ、あたしに他校の男子生徒仕向けてきてさぁ…」

「黒田?」

「あっ、…駿に言ってなかった…!」





はぁ?




俺には言うの忘れててアイツには全部話してんのかよ…。





「四天王の黒田智美って奴が昨日あたしにケンカ売ってきたんだよ。で、目立ちたくなくて戦えなかったのを裕吾が助けてくれたんだ。」






…。




ダメだ。




今の俺はアイツを虐げる言葉しか出てこない。




つーか、優衣にも当たりそう…。





黙ってるのが一番だな。





「…なぁ、駿、聞いてるか?」

「あぁ…。」

「なんだよ、自分から聞いといて!」





うっせぇな…。




って、俺マジだめだ。





俺はそうとう束縛心が強いらしい。






情けないのとイラつきで、車の中ではほとんどしゃべらなかった。