「なぁ、汐莉…」

「待って優衣。優衣にお客さんみたい。」





いつになく緊張した顔の汐莉。




汐莉はあたしの後ろを指差した。





ゆっくり振り向くと…。




知らねぇ人。






「…えっと?どちら様?」

「アンタが麻野優衣?確かに大物みたいだな。あたし目の前にしてその態度。…むっかつく。」





いや、マジでわかんねぇ。




今までのよりは強い奴だってのはわかるけど。






「今日は顔見に来ただけ。近いうちに、殺しに来るから…。あはは!」





言いたいこと言って、笑いながら消えていった。




なんなんだ、今の。





静まり返ってた教室がざわめきだした。






「優衣…。普通になるには正直に暴れすぎたみたい…。」

「は?」

「アンタのことだから、本気でわかってないんでしょ?」





汐莉が深刻な顔してる意味も。




なんもわかんねぇ。





ため息をついた汐莉は話し始めた。






「今のは四天王の1人。黒田智美。」

「四天王…?」

「そこからなの?」





汐莉は一回髪をかきあげて、話し始めた。