②遥の場合


遥「うおっ……」

ドンッ

ビシャッ


紫水「……っ。
冷たい、冷たいよ、遥」

遥「俺様のせいじゃない。
おっ、お前が足伸ばしてるから悪いんだろ!?」

紫水「酷いね、君は。
冷たいコーラのせいで僕が風邪を引いて死んでしまったらどうするの?」

遥「……わぁったよ。
謝りゃいいんだろ、謝りゃ。
どうもすみませんでしたね」

紫水「誠意が感じられない。
僕のこのつらさがわからないなんて、奏が聞いたら何て思うかな?」

遥「ちょっ……」

紫水「冷たい水で。
冷たいお水でこの服を手洗いしてくれたら。
そうしたらきっと君にも僕の気持ちがわかると思うよ」

遥「ふざ……」

紫水「きっと悲しむだろうな、奏は。
“遥がそんな冷たい人だったなんて”って……」

遥「……わぁったよ。
やりゃいいんだろ!?」

紫水「ああ、シミ一つ残らないようい綺麗にね」

遥(くそっ、紫水の気持ちなんかわかりたくもねぇよ!!)