お隣の千佳はあたしの自慢の幼なじみ。


男女分け隔てなく人気者。


スタイル抜群だし、美形だし。


性格だってすんごく優しい。










「おい、那津。おまえの頭は脳みそないのかよ」


「…いや、そんなつもりでは」


魔のオーラ全開にあたしに近づいてくる彼。


今日こそ殺られる!


なんて思いながら、目をギュッとつぶる。


呆れたようなため息が頭上から聞こえ、


「次はないからな。」


と耳元で聞こえたかと思えば、不適に笑う彼がいた。




あ~、誰が彼は優しくて人気者だと言ったのでしょうか。


たしかに自慢の幼なじみだけど、それは外にいるときだけ。


あたしと二人でいるときや家にいるときは魔王さまオーラ全開。




それが彼、笹山 千佳の本性なんです。