Fahrenheit -華氏-



「部長って彼女居るんですかぁ?」


「噂になってますよ。部長って女子社員とあんまり噂にならないからぁ実は男が好きなんじゃないかって」


ブーーー!!


俺は飲んでいたビールを危うく吹き出しそうになった。


んなわけあるかっ!!


俺は超☆がつくほど女好きだ!!!


って、胸張って言えることじゃねぇな。


俺には愛しい愛しい瑠華ちゃんって彼女がいるんだよ、キミたち…


そんなことを思いながら、


「俺は女の子が好きだよ♪付き合ってるのも女の子」とさりげなく釘を差して置いた。


暗に、だから無駄だよ?と気持ちを込めて。


「「「え゛~~~!!」」」


これには女の子たちがびっくりしたように声を上げた。


な、何!?


「あたしたち、半分諦めてたんですよぉ。男が好きなら太刀打ちできないかって。でも女に取られるよりはいいかもね♪って…」


って、おいおい……よかねぇよ。


「めくるめく世界♪美形な男だったら、OK!」


何がOKで何がNOなんだよ!といちいち突っ込みを入れたくなる。


「例えば、システムの麻野主任とか!」


「「「キャ~!」」」


ギャーーー!!!


マジでやめてくれっ!


「だって結構一緒に居るもんね~♪しかも妙に絵になってたし♪」


「あたしは外食の桐島主事が怪しいと思ってたなぁ♪」


「「「キャ~!そっちもいいかも!」」」


ギャーーーっ!!


マジで勘弁!!!!