一つ一つが……まるでパズルのピースをはめ込むように、きっちりと画を成して来た。


「そういう……こと…」


前に飲み会で「お金を持っている人」と「子供好きな人」が嫌いと言っていた。


『戦う為の軍資金を持っている人が嫌いなんです。でも私のは守る為……』


ようやく繋がった。


ようやく―――






彼女の本心に触れられた。




「マックスは……お金に任せてあたしのすべてを奪った。憎い男……


あの人は……あたしの中でいつまでも存在し続けてる。いつまでもあたしを苦しめる。


別れてもなお……」


不思議ですよね…愛してるっていう感情よりも憎い感情の方が人の心に残るの。


瑠華はそう続けて目を閉じた。


「忘れさせて。あの男を……」


そう言って、俺の首に腕を回してきた。


俺はようやく理解できた。


彼女が俺を求める理由。忘れたいから、あいつの痕を消し去りたいから―――


だからだ。



俺は瑠華を抱きしめた。


だけどそれ以上をする気にはなれなかった。


求める気持ちは大きいのに―――


他の男のことを想っている彼女のことを抱く気にはなれなかった。



いや…違う―――