「An impressive lineup of celebrities.(そうそうたる顔ぶれのセレブたち)」
俺は見出しを読み上げた。
見開き2ページを使って、大きな洋風屋敷の写真がでんと載っている。
いかにも格式と伝統がありそうな落ち着いたこげちゃの壁に、大小様々な出窓が張り出している。
大きな屋根の下に灰色のコンクリートのようなもので出来た、楯型の出っ張ったものが大きく映し出されていて、俺は目を細めた。
俺の視線の先を読んでか、柏木さんが先回りして言った。
「それは紋章です。向こうではこちらの家紋程の深い意味合いはありませんが、それでもその家に代々伝わっているものです」
「へぇ紋章ねぇ」
楯のを包むように鷲が羽を雄雄しく広げている。
「鷲はローマ皇帝の象徴であり、系統は違いますがアメリカ合衆国の国章などにも使用されてるんです」
「へぇ」
さすが博識。柏木さんの物知りには舌を巻くが、これが彼女の過去とどういう関係が?
そんな顔をしていたのだろう、柏木さんは更に続けた。
「このエスカッシャン……楯の部分にある絵柄をどこかで見たことありませんか?」
そう指差されて問われ、俺は首を捻った。
エスカッシャンと呼ばれる楯の中央には植物の蔦のようなものがくるくる巻いていて、見ようによっちゃハート型にも見える。
ハート……
俺は目を開いて、柏木さんを振り返った。
「そうです。あたしの腕にあるタトゥーはその家の紋章を象ったものです」



