あたし部長はもっと自信に溢れた人だと思ってた。


その姿勢が元夫…マックスに少し似ていた。


ううん…恋愛以外ではきっとその見立ては間違ってないと思う。


だけど恋愛になると、とことん不器用で臆病だ。


それが唯一マックスと異なる点。




でもそういうの嫌いじゃない。




好きになってくれてありがとう。



だけどあたしには





まだまだ秘密がある。




それを打ち明ける日がとうとう来たのだ。





「あたしはまだ部長に言ってないことがたくさんあります。


本当のあたしを知ったら部長はきっとあたしなんか好きじゃなくなります」





別に隠してたつもりはない。


いずれ部長の方から気づいたら、そのときにすべて打ち明けよう。そう思っていた。


あたしのことを知られて他人にどう思われようが、あたしは気にしない。



でも部長が知ってしまって、あたしから離れていくのを考えると


ちょっと悲しい。




深みにはまる前に、すべてを吐露してすべてを知ってもらおう。



大丈夫



今ならまだ引き返せる。



そう思って彼を見上げた。



部長がまっすぐにあたしを見てくれるよう、同じだけの視線を返して。





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