Fahrenheit -華氏-



「えっ??でもっ!!」


柏木さんはちょっとしらけたような冷めた目線で俺を見上げた。




「結婚なんて一度で充分ですから」





「え…………?」






柏木さんはちょっと目だけを上げると、俺を見た。





「言ってませんでした?私―――バツ一なんです」







今日で一体何度爆弾を投下されたか。


でも、俺はそれを何とかギリギリのラインで避けてきた。……少なくともそう思っている。


でも小型のミサイルじゃなく、原爆を落とされたら?


幾ら俺でも避けきれることなんて出来ない。








え………



えぇええええええええ!!!!




き!聞いてないよ!!!!