「まぁ同じ会社なんだし、ゆっくり知っていけば?」
と、綾子はどこまでも他人事のようだ。
「同じ会社だから!余計気まずいんだよ!!お前だって分かるだろ??」
桐島に片思いをして「気まずいから」なんて理由で足踏みをしていた自分ならなっ。
「まぁそれも分かる。だから俺もお前も会社の女には手を出してこなかったってわけだもんなぁ」
と裕二は感慨深げに頷いた。
こいつが言うのは違う意味で気まずくなるからだ。
「月曜日からどんな顔して会えばいいんだ?」
俺は困ったように額を押し当てた。
正直今までどおりに接することなんてできそうにない。
「じゃぁこうしたらどうだ?お前の権限で、柏木さんを異動にさせてもらうとか?」
裕二はあっけらかんとして言った。
俺はムッと顔をしかめる。
「そんなことできるか!柏木さんは一つも悪くないんだぜ!?」
俺の発言に裕二&綾子が顔を見合わせた。
「「こりゃ重症だワ」」
二人の声が重なる。
「これだから遅咲きの恋ってやつぁね」
綾子が面白い動物を見るような目つきで俺を見る。
「おぅ。記念すべきお前の初恋だ。赤飯でも炊いてやろうか?」
とからかい半分の裕二が人ごとだと思いやがってケラケラ笑ってる。
「うっせー!初恋じゃねぇ!!俺の初恋は7歳のときだ」
俺は叫んでいた。



