Fahrenheit -華氏-





「啓人……お前―――柏木さんに……





恋したな」






裕二の言葉で


「はぁ!?」と俺は素っ頓狂な声をあげた。


「あ~なるほどぉ。だからこの落ち込みよう…」


綾子が納得と言った感じで頷いた。


「バッ!バカ!!んなわけあるかぁ!!」


俺は思わず叫んでいた。


「あ~アホらし。俺はお前の恋バナの為に叩き起こされたってわけか?」


顎が外れるんじゃないかと思うぐらい大あくびをして、裕二はぼりぼりと頭を掻いた。


「い、いやいやいやいや…だから恋…じゃなくて……」


「じゃ、何だって言うのよ。あんたらしくないじゃない。賭けのことを知ってたってそれぐらい。


いつものあんたなら『話が早いジャン♪ラッキー』って思うぐらいでしょ」


綾子が俺の鼻先に指を突き立てる。


う゛


確かに。


綾子の言うことを否めない。




俺はただっ!!


柏木さんを傷つけたとか後悔して―――


必死に弁解したくて、だけど弁論の余地もなくて


もうどうすればいいのか分からなくなって―――裕二に助けを求めたわけであって……





って待て―――!!





もうそう思う時点でこれって相手を好きってことじゃん―――!!!