「ったく、そんなことを言いにきたわけじゃないでしょ?啓人」
綾子に指摘され、俺ははっとなった。
そう……だった。こんなことを言いにわざわざこいつんちまで脚を運んだわけじゃない。
「集金だろ?ほれ」
裕二が札入れから二万円を取り出す。
「……………いらない」
裕二の手を丁重に払いのけると俺は顔を背けた。
「はぁ?じゃ、お前何しにきたの?自慢するため??」
「そんなんじゃねぇよ。………柏木さん、俺らが賭けやってたこと―――知ってた……」
その事実を……
消せるもんなら消し去りたい。
柏木さんの中から綺麗に拭い去りたい……なんて虫のいい話ないよなぁ。



