Fahrenheit -華氏-


柏木さんの腕が俺の腹に回されてる。


柏木さんの柔らかい肌が俺に密着してる……


お陰で俺は風呂に沈むことはなかったけど。


なんてラッキーなハプニング……と思いたいけど…


「気をつけて下さい。あたしの家のお風呂場で溺れないでくださいね」


情けねぇ…


でも…これって結構おいしいかも。


「昨日も思ったけどさぁ、柏木さんって結構胸あるよね♪なかなかいい体♪」


俺は柏木さんににこにこ話しかけたけど、柏木さんは顔を真っ赤にさせると、いきなり手を放した。


バッシャーン!!


派手な音を立てて俺の体が湯船に沈む。


「ずっとそこで溺れててください」





冷水より冷たい柏木さんの言葉を浴びながら、



それでも俺は何だか幸せだった。