何故かは未だにわからないけど
「ヒーナちゃんっ」
「‥‥‥。」
初音さんはあたしに対して
ずっとこの調子なのだ
『俺より愛されてる‥』
‥と、普段クールなお兄ちゃんが
体操座りをして拗ねるほど。
始まりは丁度一年前‥
一人暮らしをしていた
5歳年上のお兄ちゃんが
彼女を紹介するとゆう名目で
初音さんを家に連れてきた。
極度の人見知りなあたしは
その日、逃げようと思ったけど‥
『どこ行く気?』
お母さんが逃がしてくれなかった
そして初めての挨拶。
『初めまし‥』
『好きっ!!』
『『‥‥は??』』
かぶったもう1つの声は
他でもないお兄ちゃんで‥
『‥は、初音?どうした?』
『一目惚れしちゃった‥!』
初音さんは目を輝かせながら
あたしを見つめてそう言った。

