街まで歩いてきたが、さほど時間はかからなかった。

一本道をずっと歩いてきたのだが、かといって見えるものがマンネリ化する事はない。



一つ一つ背丈が微妙に異なる夏草、目一杯空に頭を上げて光を吸収する向日葵。



私はそれらを見つける度に近くによって手に触れる。



食べられる葉もあるんだとクロは自慢気に話してくれた。
優しく微笑んでくれた。



…良かった。




死にたいってずっと思ってた。毎日イライラして訳もなく涙が零れて、どうしたらいいかも解らない。


だから死のうって思ってた。



私なんか誰からも必要とされてないんだって解ってた。


あの日クロが居なかったら私は今ここに居なかったんだろうな…