黄金色の眼の輝きは変わらない。

だけどその黒い体は陽光に照らされ、夜に比べると小さく見える。



「じゃあどうやって街に行くの?」



「これですよ、これ。」



大きな手提げバッグにクロはスルッと飛び込む。
なるほど、私が持つってわけですね…


「これで誰も怪しまないし、あなたも外を迷わないですみます。」


「…いいわよ、私も外の景色を沢山見たいから。」



思った程重くはない。
私は右肩にバッグの紐を掛け、その隙間からはクロの眼から上だけが出ている。


「決まりですね。しばらく留守にしますが、よろしいですか?」


「のんびり昼寝でもしながら待っとるよ。」


美味しそうにお茶をすすりながら答える。



「では、参りましょう。」


私よりクロの方が嬉しそうなのは気のせい?