食事の時と寝る時以外は私は大抵窓から外を眺めている。


飛び立つ鳥の数を数えたり、季節毎に変わる景色をスケッチしたり。


だからこそ余計に今の暮らしから逃れたい。



外の生活を焦がれ焦がれしている内にやがてそれは諦めに変わった。




「嫌い。大っ嫌い。」




ある本に「世界は美しい」などと書かれていたが
私には理解できない。


窓の外の時間は毎年同じように進む。

それにつれて私も次第に老いる。

そして空っぽのまま死んでいくのだ…


そう、あのハラリと落ち行く枯れ葉のように。