「はは。ほんとかあいー。で、名前。聞いていい?」 「あっごめんなさい!えと、香納 葵です」 「香納、葵… うん、ぴったりな名前。俺は松野 美琴」 「…ごめんなさい、えと… 先輩、ですよね…?」 葵はテンパっていたため、ネクタイの色を確認していなかった。 1年は赤、2年は青、3年は黄色。 美琴はもちろん赤。 「何言ってんの!ほら見てよ、ちゃんと」 ほら、とネクタイを見せてきた。 自分と同じ色のそれに、葵は尚も恥ずかしさが増した。