「っわあ!」

少年が勢い良く転び、持っていた資料を殆どぶちまけてしまった。


その少年の容姿は至って普通。
特に良い所も無いし、悪い所も無い。


強いて言えば、大きな瞳が印象的だった。


「あいたー…」


膝と足首をやってしまったらしく、痛みに顔を歪ませた。
それに、持っていた段ボールに口の端をぶつけたらしい。

その顔には切れたような跡があり、少し血が出ているようにも見えた。



見てるだけのつもり、だったんだけど。