アタシ、栗原浬(くりはら かいり)はごくごく普通の女子高生。





そんなアタシの通ってる桜乃高校は、自分で言うのもアレだけど、ハイレベルな高校。


だからたくさん勉強して、規則正しくして、愛想まで良くしなきゃならない。



そんな生活にうんざりしていた。


親はアタシが桜乃に受かったコトに感動して、プレッシャーかなりかけてくるし…



アタシの心のオアシスはどこ!?


なんて一年生の時まで思っていた。




二年に無事進級が出来た時、アタシが入ってる演劇部のマネージャー天使の様な後輩が入って来た。




「鈴野遥(すずの はるか)です!よろしくお願いします!」



はじめて見たとき目を疑った。だって、女の子が男子の制服着てる!?とか勘違いしたから。


遥くんは名前通り女の子のようにかわいい男の子だった。


おじいちゃんがアメリカの人らしく、ハーフなので、触りたくなるようなサラサラのミルクティーブラウンの髪の毛。


白い肌!青い瞳!


そして、155㎝というかわいい身長!


ちょっぴりドジだけど、頑張り屋さんで人懐っこい。



アタシの人生も捨てたもんじゃない!ありがとう…神様!



なんて…この時は思っていた。



まさかはるちゃん(愛称)が…羊の皮を被った狼だったなんて…思いもしなかったから。