そもそものきっかけは小学4年生

友達の家に遊びに行った時、友達のお姉さんが持ってたちょっと年上向けの少女漫画を読んだことからだった


少し異性を意識し始める時期で、誰其が好きだのなんだのと恋ばなが繰り広げられることもしばしばだった矢先

目にした漫画のシーンは抱き合ってたり、キスしたりなんて何食わぬようにやってのけるカップルばかりだった

最初こそは赤面する友達と同様の反応を示した私だったけどしばらくすると慣れてしまった

何のそのと見慣れた私は度々友達から漫画を借りては夜な夜な隠れて読むを繰り返していくうちに私は変わっていった

家族でドラマのそんなシーンを見るとピーンと張り詰めたみたいな空気になるけど気にならない、気にしている時間があったらじっと見ていたい

そんな変化に1番早く気づいたのは8つ歳の離れた兄だった


反抗期を終えたばかりだったかな、夕飯後リビングでくつろぎながら家族集まって見ていたのはドキュメンタリー番組

村の奥地に住む大家族にスポットを当てて密着する内容だったが、突如長女が妊娠してしまって空気が一変する

成人したばかりという年齢やお金の問題が山積みの中、結果的に家族力を合わせてやっていくと丸く治まり、エンディングを迎えた

感動的な結末に自然と新聞を読んでいた父も食器類を片していた母も、最初こそ興味なさ気だった兄も見入っていて、小学生の私が寝るように促される時間は過ぎている

早く入っちゃいなさいと最近一人風呂が普通になってきた私は急かされる形でリビングを後にした


自分の部屋がある2階へ上がろうと階段を登り始めるとちょうどリビングから出てきた兄

てっきり隣り同士の自室に用があるんだと思って気にしないでいると兄に掛けられた言葉は思いも寄らない物だった


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