「ヨンタぁ。
そろそろ帰るかぁ?」

仲良くお喋りをする2人の後ろ、机の上にちょこんと座るオッサンが2人。


「あやつらはもう心配ないですな。

帰りますかぁ。」



横にあるシンプルな箱を触ると、1人は幸せそうな男の顔が、1人は不安そうな女の顔が、ポンと浮かび上がった。


2人は“想い”と“逃げ”、それぞれを自分の袋に詰めると、キュッと縛って肩に担ぐ。



「よっこらせ。
グスタフー!!
そろそろ帰るぞー!!」

「どれ、私も。
ダニエルー。」


立ち上がったオッサンの元に、ソリをつけた2頭の可愛らしいトナカイがどこからともなく現れた。