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「俊介先輩、帰り道間違ってますよ?」

「んなこたぁ分かっていますとも。」



いつものように仕事を終えた帰り道。


家とは真逆の方向にチャリのハンドルを切ると、冷静で頼れる書記、清田が怪訝な顔をこちらに向けた。



「どこかに用事ですか?」

「ま、まぁ、そんなとこだ。」

「のどか先輩の家、知ってるんですか?」

「前に一回みんなで行ったことがあるから…って、な、なんで、相原の家の話なんか…!!」



なんの話だよ!!

ぁ、相原の家に行こうなんて、…お、思ってませんけどッ!!


「心配で一日ずっと上の空だった人がよく言いますね。」


はぅ…!!

バレてるやん!!