小さな姫とヤンキー王子


「ハァ・・・天使なんだか悪魔なんだか、分からないわね」

もぉひどいなぁ、アヤノちゃんは。アタシは天使でも悪魔でもないのにぃ。

何となく視線を感じてそちらに目を向けると、トワがジーッとアタシを見ていた。

「あれっ?トワ起きてたの?」

「う・・ん。今・・・おき・・た」

まだちょっとウトウトしていて、途切れ途切れの言葉を放つ。

「そっか。あ、今ねぇ鬼ごっこしてるんだよーっ♪」

「また・・・あいつ等、苛めてる?」

「うんっ。すっごく楽しいよぉー!」

「そっか・・・リナが楽しいなら、いい」

そう言ってアタシをぎゅっと抱きしめる。

「ったくトワも相変わらず、リナにべったりだな」

呆れたように言うショウヘイ君をトワはチラッとだけ見て

「ショウヘイも・・・アヤノにべったり・・言われたくない」

ショウヘイ君の方を見ないでそう呟いたトワに思わず「ふふふっ」と笑いが漏れる。
トワに言い返されたショウヘイ君は、ぐっと押し黙っていて、顔を見ると少し頬が赤くなって、照れていた。

「ほらほら。あんまり苛めないの。おしゃべりしてる間にもう後5分よ?」

「あっ!本当だぁーー。アタシが言った意味、ヨナ達はちゃんと理解できてるのかぁ」

電話越しではまったく意味が分からないという風の声だったからからなぁ。