小さな姫とヤンキー王子


「リナが思ってるような不器用って意味じゃないわよ?」

「えー?じゃあどんな不器用なのぉ?」

首を傾げて考える。

「ほんっとリナは鈍感だな」

「むぅ・・・ショウヘイ君、それは言わない約束だったよねぇ?」

そう言うと「あっ」と言ってサーと顔が青くなっていく。

「あれぇ?ショウヘイ君どーしたのぉ?顔が真っ青だよぉ?」

アタシはニコニコしながらショウヘイ君に近づいていく。そして後一歩という所で

「はい、ストップ。トウマ達の事ほったらかしにしない。それとトワが起きるでしょう」

アヤノちゃんに止められた。あ、そうだったね。トウマ達外にいたんだ。それにトワ五月蝿いのキライだから起きちゃうかもねぇ。

「ごめんねぇ。あ、でも大丈夫だよぉ。ほら聞いてみて?」

そういってモニターの方を指差す。

『おいっどこにもいねぇぞ!!』
『もう逃げ場はないと思ったのにぃ』
『ヨナ、確かに見たんだよな?』
『えぇ。確かに理事長室の窓から私を見てたわ』
『じゃあドコにいるんだよ!!』
『知らないわよ!もしかしたらもう移動してるかも知れないでしょ!?』
『また振り出しに戻っちゃったねぇ』

そう言ってぞろぞろと理事長室を出て行った。